2008年06月25日

【明解要解】路面電車、減るか増えるか 世界では復活傾向

 ■環境・高齢化に配慮

 欧米諸国では、それまでのクルマ一辺倒を見直して、路面電車を進化させたLRT(次世代型路面電車システム)の開通が相次いでいる。日本では路面電車としては約50年ぶりに開業した富山市の例があるが、既存路線を廃止した地域もある。「環境」と「高齢化」への配慮を重視する世界の潮流に必ずしも乗り切れていない。(特集部 大家俊夫)

 低床でお年寄りに優しく、車体も洗練されているLRT。このLRTを走らせる富山ライトレールは大半の路線をJR富山港線から引き継ぎ、平成18年に誕生した。一地方都市の電車にもかかわらず、全国からの視察ラッシュが続くのは、業績面でも好調を維持しているからだ。

 「これまで自治体、民間、学者など団体数で約300、人数で約5500人が視察に訪れました」。富山市路面電車担当の室哲雄参事はこう語る。

 人口42万人の富山市にあって1日の平均利用者はその約100分の1の4480人、旧富山港線の利用者と比べるとほぼ倍増した。うち新規利用者は2割を占める。平日日中の高齢者の利用が増えたのは、週末に家族の運転がなければ市街地に出られなかったお年寄りが自分の足で町に出てきたことを意味する。「視察者からは町がどう変わるかについての質問が多い」(室参事)という。

 国内でLRTを検討している自治体は約60。その一つ、東京都豊島区は高野之夫区長が区長選公約に掲げ、池袋駅東口の大通りにLRTを新設する計画だ。大阪では堺市の「東西鉄軌道」が具体性を帯びている。シャープ堺工場ができる西の臨海部につなげ、南北を走る既存の路面電車、阪堺線の一部路線も取り込み、先行路線の開業目標を22年度末としている。

 ただ、明るいニュースばかりではない。富山ライトレール開通の前年には、明治からの歴史があった岐阜路面電車が赤字を抱えて廃止された。国内の路線は岐阜でマイナス1、富山でプラス1の現19路線。今後、採算面などの理由で維持できなくなる路線も出るかもしれない。

                  ◇

 欧米でもモータリゼーション全盛の時代に路面電車はほとんど消えた。だが、その時代を経て、1980年代に各地で見直され、復活してきている。先進的な例はフランスだろう。パリでは温室効果ガスを削減するために自動車交通量を大幅削減する目標をたて、その延長線上にLRTの復活がある。新しいトラム3号線は地下鉄網とアクセスし、軌道内に天然の芝を植え、緑の多い環境づくりを掲げている。クルマ社会の代名詞、米国でもロサンゼルスなどでLRTが郊外を結び、生活様式に変化が生まれている。

 『世界のLRT』(JTBパブリッシング)の共著者の一人、宇都宮浄人(きよひと)氏は「路面電車を欧米が復活させた間に、日本は富山を除けば路線を減らすだけだった。日本は環境重視の社会に向かうのか、LRTはその指針にもなる」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080625-00000916-san-soci

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ニックネーム memedk at 15:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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