2008年07月15日

<三菱ふそう虚偽報告>元会長ぼうぜん 逆転有罪判決で

大型車部品の欠陥を隠し、国にうその報告をしたリコール逃れが断罪された。
道路運送車両法違反に問われた三菱ふそう元会長、宇佐美隆被告(67)らに対する15日の東京高裁判決
元会長らは逆転有罪に不満を表明する一方、欠陥車による事故で肉親を失った遺族はいまだに謝罪のない元会長らへの怒りを募らせている。

 午前10時過ぎ、グレーのスーツ姿の宇佐美元会長は一礼して入廷。「1審を破棄する。罰金20万円とする」。
裁判長の主文が静まり返った法廷に響き渡ると、元会長はぼうぜんと立ち尽くし、青ざめた表情で被告席に戻った。

 閉廷後、宇佐美元会長らは弁護人を通じて「法の合理的解釈を放棄した極めて不当な判決で非常に遺憾。上告審で速やかに是正されると信じている」とコメントした。

 リコール逃れのきっかけとなったタイヤ脱落事故で死亡した主婦、岡本紫穂さん(当時29歳)の母、増田陽子さん(59)は10日、横浜市内の紫穂さんの墓前に花をたむけ、手を合わせた。「今日は月命日ですが、紫穂の誕生日でもあります。本当は36歳になっていた。友達の多い優しい子だった」。
事故の2年前、紫穂さんから贈られた指輪が大切な形見になった。

 事故から6年半たつが、宇佐美元会長らから謝罪はない。
増田さんは「大企業にとっては、たかが1人の死なのかもしれないけど、自分の子供が車に殺されたらどう思うのか。幹部たちにこの思いが分からないのでしょうか」と唇をかんだ。

 1審・横浜簡裁の判決公判を傍聴したが、予想もしなかった無罪判決に言葉を失った。
以来、控訴審を傍聴することはなく、高裁判決にも出向かなかったが、「三菱ふそうにもまじめに働いている社員はたくさんいると思う。それなのにトップの姿勢が隠ぺい体質だと、企業全体が怠慢と思われても仕方がない。気持ちが何も伝わってこないのが許せない」と悔しさをにじませた。【伊藤一郎、池田知広】

 ◇再発防止を誓う

 三菱自動車広報部の話 判決を厳粛に受け止め、再発防止を改めて誓うとともに、全社一丸となって信頼回復に努めていく。

 ◇解説 交通行政の実態に理解

 三菱ふそう元会長らに逆転有罪を言い渡した東京高裁判決は、法律の条文を厳格に解釈して無罪とした1審判決を「形式論」として退け、交通行政の現場の実態に理解を示した判断と言える。

 1審・横浜簡裁は、ふそう側の虚偽報告を認めながら、道路運送車両法が定める「国土交通相の報告要求」がなかったという理由で無罪とした。国土交通省のリコール対策室職員らが実質的に報告要求をしている実務とはかけ離れた結論だったが、高裁は「かえって法律の趣旨を損なうことになりかねない」として覆した。

 同省の統計では、分社後の三菱ふそうリコール届け出件数は03〜07年の5年間で計205件。国産車メーカー14社で件数の多さを比べると03年度2位、04〜07年度は1位と他社を圧倒する。同社は「車両の問題点を早期に発見して適切な措置を講じた結果であり、開発段階から不具合の撲滅に取り組んでいる」と説明しているが、重大事故を起こした会社として、今後、改善状況を明確な数値で示す責務があることは言うまでもない。

 横浜の事故では、若い母親が幼い子供たちを残して先立った。
何の落ち度もない市民が突然、命を奪われる事故はいわば通り魔事件の被害に遭ったに等しい。
三菱ふそうのみならず、自動車メーカー各社が「車は走る凶器」と肝に銘じ、安全性を最重視した経営に努めなければならない。【伊藤一郎】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080715-00000040-mai-soci

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ニックネーム memedk at 15:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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